アララギ派
試験運用中
こちらは、短歌結社「アララギ派短歌会」のホームページです
会員作品紹介
縁の下より何匹も仔犬を取り出ししは四十年も前か母在りし頃か
常磐井猷麿
縁ある二人の殿御に生かされていまあるよはひ愛し尊し
青木ゆかり
白樺の梢しづかに相寄りぬ相寄りてゐる夕映の雲も
長森 聡
UFOのやうだと人らの見遣る空バイクを止めて我も見上げる
石川 啓
猫だつてにやりと笑ふ時がある陽なたに坐り我を見上げて
中めぐみ
爪ほどの殻なれど雨のかたつむりこの野はなべておまへの宇宙
久我久美子
その奥に何か秘密があるやうな雲に向かつてシャッターを切る
東野登美子
ぽっかりとインヂゴ青の空に開く半円の穴眩しく覗く
いづみ菊乃
しづかに眼を伏せて仏陀の半眼を真似て立ちゐる楡の木の下
楠 誓英
あす雨が降ったら傘を回すのさ周りに人のゐないところで
宮崎大智
バス停でアゲハと僕は膝抱へ雨が止むまで空を見てゐた
森 星象
目の奥がキシキシと鳴る 人生の思はぬところに穴があいてゐる
田中教子
私は鳥や雲より風になりたい姿のあるものは自由ではないから
天西舞香
次々に弾けし白き綿畠アオスジアゲハはゆっくりと飛ぶ
谷地充子
身の内に葉緑素などあらねども吾は毎朝目を覚ますなり
森垣 岳
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